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結(ゆい)針灸院

大阪府吹田市泉町2-47-27-102

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※診療時間外も含む

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症状と治療のお話し

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心の風邪と鍼灸の話 

神経症やうつ病などを 心の風邪といういう言方があります。身体が風邪をひくように心も風邪をひく。精神症状を特別視しないでという気持ちがこめられています。 中医学は心と身体をそもそも別のものとしていません。 ヨーロッパやアメリカでは精神をキリスト教の一部の考え方の影響から、特別視していました。 これに対し、中医学(中国の伝統医学)は身体と心を一体のものとして、治療をしてきました。 関西中医鍼灸研究会で、中医学の立場から漢方薬を使って治療されている精神科医師の渡辺先生の話を聞きました。
ここでは一部を抜粋してお伝えします。

藤井
「本日の中医研講座は、大阪府吹田市のJR吹田駅前で開業されている、精神科医師である、さわらび診療所の渡辺先生に講演をお願いしました。わたしたちが日常で出会う患者さんは神経症、精神病の既往歴をもっている方々がいらっしゃいます。」
渡辺先生
「わたしがいわゆる精神科・神経科を標榜するクリニックを吹田ではじめて十年ぐらいになるのですけど、通院している患者さんで鍼灸の治療を同時にされている患者さんはたくさんいらっしゃいますし、藤井さんにもお願いしてお世話になってきたわけです。精神科神経科領域で鍼灸の治療を受けている患者さんは確かに多いです。
精神科の病気 外因―脳に影響を与えるハッキリとした原因がある。
脳器質性 ―例:脳腫瘍、脳炎、痴呆、癲癇
中毒性 ―例:アルコール中毒、覚醒剤中毒
症候性 ―例:膠原病、感染症
心因―心理的葛藤が原因
例:不安神経症、心気神経症、強迫神経症、PTSD
内因―現代医学ではまだ、原因が解明されていない
例:精神分裂病、非定型精神病、気分障害
まず精神科では外因、心因、内因という分類を昔から使っています。
外因とは脳に明らかに原因があるとわかっている病気です。脳腫瘍、脳炎、痴呆などです。または中毒性の病気です。覚醒剤中毒やアルコール中毒が中毒性の病気になります。内科疾患でも精神症状を呈する病気があります。
心因は心理的葛藤などが原因であるというものです。神経症や心気神経症、不安神経症、性格障害、PTSDなどはこの範疇に入ります。神経症は鍼灸の先生方にもよくこられるのでないかと思います。 内因はいわゆる精神病です。心因などの原因がはっきりとわからないものです。現代医学では、まだ原因がわかっていません。精神分裂病、非定形精神病などが内因の範疇に入ります。
最近は気分障害とか感情障害と呼ぶことが多いですが、いわゆる躁鬱病などもこの範疇に入ります。


心の風邪の代表的なもの パニック障害 藤井
不安神経症とほぼ同じような意味です。私も鍼灸でよく治療しています。肩がこるとかいうことで来られることがおおいのですが、診断すると大体わかるので、「胸が苦しくなったり、のどがつまってくるようなことがありませんか」とこちらから聞きだします。鍼灸も良く効きます。 心因性と一応 分類されていますが、中医学では消化器の状態、つまり胃腸の状態が大きく関係していると考えています。実際、体調が悪化した時に出てくる場合が多いようです。
一般にはストレス社会だから増えているといわれていますが、それだけでなく食べ物を含む生活様式の変化が大きく関係していると考えています。
28歳男性、パニック障害 1.経過

急に息苦しくなり呼吸が止まるのではないかと心配になり、救急車で市民病院に行く。
過換気症候群なので、ビニール袋をかぶって呼吸するようにと言われ、安定剤を一錠もらって帰った。
証券会社に営業マンとして勤めていたが、バブル崩壊で仕事がしんどくなった。毎日帰宅が遅いうえ、仕事を家に持ち帰ったり、会社がどうなるかわからないので、休日にも将来に備えて資格をとるべく勉強するなど本を読んだりして、子供の相手をする時間も無い生活が続いていた。
発作が起こり、会社にもいけなくなるのではないかという不安がつのるうちに、明け方にまた発作が起きて前回と同様に救急受診し、同様の処置で帰宅する。
発作の起こり方は、まず喉が苦しくなり、ついで胸が苦しくなり、息が吸い込みにくくなり、急速に不安が強まる。特に吸い込みにくい感じが強い。

診療所に来られて、診断書を書いて会社を一週間休むように指示する。会社を一週間休み、十分休息をとり、かなりおちついた。残業と仕事の持ち帰りをやめ、休日は運動や子供の遊び相手をするようになってから、発作はおきなくなった。薬物も臨時薬を携行して不安をコントロールできるようになり、やや薬物に対する依存ができかけたので、自律訓練法をマスターするようにして薬物からも離れることができた。
よく話を聞くと仕事のことだけでなく、離れて暮らしていた両親が年をとってきたので、近く親と同居する予定であること、さらにローンの返済について悩みがあった。仲人である会社の上司から仕事についてハッパをかけられることがあったなどの事情もかさなっていたことがわかった。


2.一般的な経過

ストレスの持続+新しいストレスの重なり→症状のでる前の心気的な状態→疲労を乗り越えてがんばる(あるいはがんばらねば成らない状況)→発症

渡辺先生
「パニック障害はたいてい持続的なストレスがあります。PTSDのように突発的なストレスではなく、持続的なストレスです。ストレスの無い方はいないわけですが、それだけならなんとか頑張れます。それにさらに別のストレスが加わるとしんどくなります。それで疲れやすい、眠りにくいというような前駆的症状がありますが、それでも頑張って乗り越えないといけないと思い、無理を重ねます。そしてある日突然、症状が出ます。」
○症状のさまざま
いきぐるしい、動悸が止まらない、冷や汗が出る、心臓がとまって死ぬのではないかと思う、気が狂ってしまうのではないかという不安。
発作が起こったらと思うと電車にのれない、買い物に行けない(広場恐怖、閉所恐怖)。

渡辺先生
「発作が起こったらと思うと電車に乗れない、途中で降りられない特急や急行に乗れない、あるいは会社にいけないという深刻な状態となります。パニック障害のかたは早めに治療を受けるとそのような不安発作を乗り越えられますが、大抵の場合、最初は内科にいかれます。内科では精神安定剤や睡眠薬を出されます。しかし、これは一時凌ぎであり、根本的克服ではありません。そうして時間がたつと慢性化する可能性があります。」
漢方の有効性―梅核気など。 渡辺先生
「わたしはこのようなパニック障害に対するファーストチョイスはほとんど漢方薬です。それはいろいろ理由があるのですが、安定剤は効きますが、副作用として眠い、だるいという症状があります。急性期にはトランキライザーですが、長期的には漢方薬で改善していきます。だから急性期にはトランキライザーと漢方薬の併用となります」
心の風邪その2 うつ病 藤井
うつ病もよくある病気です。周りの人々に理解されにくく「がんばれ」とか「しっかりしろ」とか言われて傷ついてしまうことが多い病気です。 患者さんは充分にがんばっているのです。がんばりすぎてなってしまう病気なのに、「がんばれ」といわれたらたまったものではありません。
いろんな身体症状も出るので、鍼灸院を、軽い段階で(重くなると自宅にひきこもられますので)訪れる患者さんもいらっしゃいます。鍼灸もよく効きます。症状を軽くしてなんとか日常生活を楽にすごしていけるようにしていきます。お薬との併用もなんの問題もありません。
うつ病の治療には 私は督脈通陽法という独特の治療法を用いています。
うつ病というところまでいかなくても、身体が重い、何をする気力もおきないといった状態に鍼灸治療は効きます。当たり前ですが、こういう軽い段階の方が早く治ります。
65歳男性、反応性うつ病 高血圧で治療を受けていた。その診療所からの紹介。
退職して今後の人生設計を考えていた矢先に阪神大震災に遭う。新神戸の住んでいたマンションが半壊する。再建の会議の世話人をしていた。五十世帯の大きなマンションであり、やっかいな仕事だった。五月頃から、めまい、吐き気、不眠を訴える。内科的な検査では高血圧の他には異常なし。

受診時の問診
「何のために生きているのかと思う。よき父親として、よき夫としてどうしたら全うできるのかと...」 「さいきんテレビをみる気もしない、本も読めない。集中できない」
ねつきが悪い、眠り浅い、早く目が覚める。
頭が午前中ぼんやりしている。 目がまぶしい。
(渡辺先生「目がまぶしいというのはうつ病、神経症でよくある訴えです。内科などで目がまぶしいと訴えてもほとんど取り上げられません。わたしはストレスから来る疾患での一つの特徴だと思います」)
口が乾く、小便が近い。
食欲が無い。二ヶ月で3キロ痩せた。

同伴した妻の話
性格はすごく几帳面で真面目。最近ひどく心配性になり、妻の外出も心配で「早く帰れ」と言う。待合室でもこんなところ(精神科)に来ることになって...とショックを受けている。
(渡辺先生「うつ病になる性格はまじめで几帳面な性格が多く、人から頼まれたら嫌といえないタイプです」) 経過
服薬、断りにくかった役職を断る。二ヶ月で不眠が治り、食欲も回復する。

渡辺先生 「こういう方には背負っている荷物を軽くするということでマンションの世話人という役職を降りてもらいました。」 うつ状態に一番のクスリは休息です うつ病については「患者さんと家族、会社の上司に現在の状態を説明する。うつ状態であり、病気なので治る」と説明することが大切になります。
精神主義というか、根性で頑張れとかいうことはいまでもあります。やる気をだせば、できると激励してしまうことは多いです。そして患者自身さんも「病気なんかに逃げてはいけない」とか「たるんでいる」とか「甘えている」と考えて、「頑張ろう」と思ってしまいます。

うつ状態に一番のクスリは休息です。最近は風邪をひいてもカゼ薬を飲んで、会社にいきますね。「風邪ぐらいで休むなんて何事だ」という感じです。そうしてコジらせていって、結局は休むことになります。 そこでお墨付きとして、医者が診断書を書いて休んでもらいます。少し深い症状なら、クスリが必要です。クスリには抵抗が強いですが、副作用について説明してきちん飲んでいただくことが大事です。

藤井 「鍼灸師は現状では 精神科のお医者さまほど権威がありません。鍼灸師の診断 では会社が納得しないでしょう。診断書を書いて休んでもらうわけにはいかないので、 必要に応じて精神科を紹介するか、休養を進めつづけることになります。ただ針灸治 療によって 仕事を継続可能と判断した場合は、短期間のお休みをとることを進めるだ けの場合もあります。針灸治療がそれだけ症状を緩和できるということです。」 うつ病は三ヶ月も治療したら、ほとんどよくなります うつ病は三ヶ月も治療したら、ほとんどよくなります。90パーセントは回復します。
しかし、それぐらい時間がかかるとも言えます。中途半端によくなったからと言って、途中で治療をやめることはいけません。うつ病のクスリというのは、回復を早めるわけではなく、症状を浅くする側面があり、途中でやめるとまた最初からという話になります。
うつ病のクスリは、傷のカサブタと同じで、完全に傷が治癒しないうちにカサブタをはがすとまた傷から出血します。
うつ病で一番心配なのは自殺です。うつの極期では、自殺念慮はあっても自殺するだけのエネルギーはありません。うつ病では回復期が一番あぶないです。だから、きちんとした手当てが必要です。


うつ病の期間中は重大な決断はぜったいにしないことです うつ病の間には「会社をやめる」とか「離婚する」と言い出します。
しかし、これは後悔します。うつ病の期間中は重大な決断はぜったいにしないことです。うつ病が治ってからなら、「こんなツラい会社は辞める」というなら良いですが、うつ病の間は問題を先延ばしにして結論をださないことです。


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