春の訪れをつげる寝違い

春の訪れをつげる寝違い

2003/03/13

結(ゆい)通信No.23 3月6日発行で「2~3月は四十肩、五十肩になりやすい季節です。今年はいつまでも寒いから3~4月かも知れません。冬の間 静まっていた体内の気が、春になると動き始めます。そのときに頚部や肩で故障がおきやすいのです」というようなことを書いた。

ここ2~3日、3月にしては ひどい寒さがやっとゆるんだかなという感じになってきたところで、米大リーグ、ヤンキースの松井秀喜外野手が寝違えで欠場というニュースが入ってきた。
結(ゆい)にも 頚部や肩の痛みを訴える患者さんが 新たにいらっしゃるようになった。どうやら人の身体にも 春がやってきたようだ。

春におこりやすい身体の不調

人の身体も植物と同じ面がある。中医学(中国の伝統医学)の考えでは、春になると、冬の間は静まっていた人間の身体の「気」が動き出す。「気」の流れる道、経絡(けいらく)に故障があると、いろいろと困った症状が出てくる。残念ながら夏になったらきれいに治るというものでもない。鎮痛剤を使って痛みだけを 感じなくさせたところで「気」の流れがよくなるわけでもない。それどころか鎮痛剤は「気」の流れをよけいに滞らせてしまう面がある。滞らせて 別の不調をひきおこす可能性がある。

春におこりやすい身体の不調をざっとあげてみると、頭痛それも頭の横に多い。
耳の痛み。 耳の痛みとともに顎の開け閉めに違和感がある。 くびの痛み。 肩の痛み。 背中の痛み こり。

腰の痛み 腰から足の痛みそれもふとももの後ろでなく横の痛みが多い。

体が重い。 体がだるい。 いつも眠い。 頭が ぼおっとする。なにごとにもやる気が おきなくなる。

ずいぶん早めに目がさめてしまう。 夢ばかりみてぐっすり眠れない。ちょっとしたことで苛々する。
気分がそわそわして落ち着かない。目がかすむ 目が疲れやすい 目が痛い。

自分でできること

早めに鍼灸で「気」の流れる道、経絡(けいらく)の調整をして治してあげるのにこしたことはないが、なかなかそうもいかない人も多いだろう。

春は ゆったりとした気持ちで散歩をしたり 軽く体操をしたりするといい。具合が悪いと家に閉じこもりがちだが 春は戸外に出ればいい。ひどい花粉症の方は別として。

冬は うちで養生することをすすめるが、春は違う。なんか調子悪いなと思っていても 思い切って戸外に出て うっすらと汗がにじむくらいの感じで動いているうちに 意外と調子がよくなっているものだ。梅でも桜でも心地よいと思うものをみているとさらに効果的だ。
私としてはできるだけ自然豊かな中に 身をおくことをすすめるが、デパートやスーパーの春物の衣料やブランド品を見ているほうが心地いいという方はそれでもいい。

寝違い、冷やすか 暖めるか

寝違いをしたときに 冷やしたほうがいいか 暖めたほうがいいかとよく聞かれる。私はその時の 患者さんの状態を診て答えることにしている。個人個人そしてその時の状態によって違うのだ。比率的には暖めることをすすめる場合が多い。読者のみなさんは まずは暖めてみて、具合がわるかったら冷やしてみるという順序でやってみられたらどうでしょう。

ところで松井選手、キャンプの宿舎にも使い慣れた枕を持ち込んでおり、寝違いの原因は不明とのこと。季節を、診断に組み入れているエコロジカルな医学、中医学(中国の伝統医学)が米国の鍼灸では主流だ。米国の鍼灸師に聞いても私と同じことを答えるだろう。「春がきたのだ」と。

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